@article{oai:kgwu.repo.nii.ac.jp:00000292, author = {長島, 一比古 and NAGASHIMA, Kazuhiko}, issue = {2}, journal = {川村学園女子大学研究紀要, The journal of Kawamura Gakuen Woman's University}, month = {Mar}, note = {ウィリアム・ブレイクは,歌集『無垢の歌』の「はじめのうた」によって,この歌集を書くに至った事の次第を述べながら,想像力によって捉えられたヴィジョンの世界を牧歌的な自然として描き,子どもの無垢と喜びとの密接な関係を示している。彼はこの歌を強弱4歩格欠節という格調を用いて書き,脱文を唱えるのと同様の効果を出すとともに,軽快なリズムによって楽しい音楽的特性を与えて,この歌集全体を「喜び」で包み込んでいる。ブレイクが,時代の思潮に強い不信感を抱いていた一方で,民間伝承的な伝統の影響力を熟知していて,これを『無垢の歌』において利用したことは,「はじめのうた」からも明らかである。彼は,民間に伝わって来た素朴であるが詩情豊かなバラッド調を利用することによって,当時の賛美歌集をも念頭に置いて,抒情的な趣の中で神と人間との密接な関係を歌っている。さらに,当時の定型化した特に対して,種々の弱強格の詩形を用いてさまざまな子どもの姿を生き生きと描き出している。これらの手法は,子どもの無垢は一個の人間の形成において重要であり,そのために子どもの生は喜びに満ちているべきであるという彼の思想を伝えるのに最も効果的な作詩法となっている。それは,18世紀という理性の時代・新古典主義の時代にあって,時代の思潮によって奪われていた「喜び」を子どものために取り戻して,人間性の復活を試みるために選択した手段であったと言うことができる。}, pages = {63--78}, title = {ブレイクのヴィジョンにおける子どもと喜び : 「はじめのうた」における強弱格の用法}, volume = {16}, year = {2005} }